Under The Same Sky

アシュタンガヨガを練習しています

テトがやってくる

来週2月16日の旧正月(テト)を真近に控え、ここハノイもすっかり年末モードになってきました。街中には桃の花や金柑の植木を売る姿があちこちに見られたり、お供え物を準備したり大掃除したりと、旧正月の準備に向けていい意味で殺気だってる(浮き足立ってる)感じです。ちなみに旧正月の期間はお店や市場が閉まってしまうので、この時期にはしっかりと買い出ししておく必要があります。(とは言え、ここ数年は開いてるお店も増えたみたい。)ベトナム語では「Không khí Tết(テトの雰囲気)」と言う言葉があって、この浮き足立った年末モードの雰囲気を表します。

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実は、この旧正月のことで気になった話を聞きました。

なんでもベトナム旧正月をなくして、正月を新暦(1月1日)にしようという話が数年前から出ているとのこと。どうやら、西欧諸国が正月を新暦で祝うことに習い、ベトナムもグローバルスタンダード的に正月を新暦へ移しちゃおう!ってことだと思います。

私、この話を(冗談だったとしても)聞いたとき、それだけは絶対にやめて欲しいと思いました。ただね、私は2000年からこの国とお付き合いしてますが、正直なところ、テト(旧正月)がやってきても自分にとって正月だとあまり感じたことはありません。この時期のタイミングにベトナムで過ごすことが少ないせいもあるけど。私にとってお正月などの季節の行事は、日本の暦が自然と体にフィットする感じがするのです。覚えてるっていうか、逆に気になるというか。

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確かにベトナム対外国で仕事をする場合、この「正月休み問題」はどちらか一方が休みに入っても、もう一方が動いている関係になるので、多少の不便さも理解できます。例えば、以前仕事をしていた時などは、日本の年末年始であってもベトナムは通常モード、ベトナムで普通に出勤しても日本からのメールがパッタリとなくなるので寂しいものでした。逆も然り、日本側はあまり旧正月に馴染みがないので、日本が通常モードの時にベトナム側が一気に休みに入るのでこれはこれで大変。(ちなみにベトナム人にテト出勤させると祝日手当が大変です。まあ、それだけベトナム人休みの日は仕事しないって姿勢なんですが。)

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それでも、私はこのテト正月を新暦に変えるなんてして欲しくない。もちろん、この件に関しては反対している人が多いようです。

ベトナム人は好奇心が旺盛なせいか、他の国の正月に興味を持ったりするので、テトの時期になると「日本の正月は(旧暦と新暦)どっちだ?」とよく聞かれます。「日本は新暦だからもう正月は過ぎちゃったよ。」って会話になると、彼らの反応として、「日本は旧暦で祝わないのかぁ。」「日本の正月は西洋と同じなのかぁ。」「旧暦で正月を祝うのは、ベトナムと中国だけかぁ。」(この場合、韓国も旧暦だよ!とフォローのつもりで私は答えます。)などなど。

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旧暦が生活の中で根付いている彼ら、テト前になるとカレンダーの読み方が突然旧暦読みになったりして、私の方も「そろそろそんな時期なのね」って変化を楽しんでいたのに。まあ確かに、こちらが日付を聞いたときに、返答が旧暦の日付だとややこしい時もあるけど、これがなくなるのかと思うと結構寂しい。というか、テトが新暦の1月1日になったらテトじゃ無くなるような気がしてならない。

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そもそもTết(テット)って言葉は漢字の「節」が元になっているので、新暦になったらテトって呼べなくなる気がする。。。

まあ、一外国人の私がどうこうは言えないけど、ベトナムの正月はこの先もテトであって欲しいと心から願ってます。