Under The Same Sky

アシュタンガヨガを練習しています

楽園

5月某日のハノイの午後。蒸し暑いですがいい天気。

今朝は外から「Hôn nay nắng to lắm」(今日は日差しが強くなるよ。)っておじさんの話してるのが聞こえてきました。新型コロナの社会隔離措置が緩和されて3週間、今まで静かだった近所の運動場も毎晩サッカーで盛り上ってたり、止まっていたマンションの建設が始まったりと、外部の音が大分賑やかに(騒々しい時もある)なってきました。それと同時に、改めて”日常”が戻ってるんだなあとも感じます。

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でも、日常ってなんなんでしょうねえ。。一見穏やかな感じがするこの風景も、一歩奥に入ったら知らない世界があるのかもしれない。

社会隔離措置中にたまたまYouTubeで「楽園」(原作・吉田修一『犯罪小説集』)と言う映画を観たんですが(今は削除されてるようです。。)、コロナで今露見されているような社会問題が表現されていて重かったです。

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皆んな誰かのせいにしたい、自分は傷つきたくない。

それに、人の気持ちは(状況によって)変わりやすい。

それが真実でなくても、標的にした人物を犯人や悪人扱いすることで真実を曲げることができる。真実っていうか、今まで当たり前だった事も人の気持ちで悪意に変わってしまう。この話は実際にあった事件を映画にしています。村八分や新参者に対しての差別。何だかその辺にもありそうな話。そして今新型コロナの影響で欧米ではアジア人差別が酷いってニュースを見聞きした事もあり、更に情景が重なってしまって心が重くなりました。

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でもね、虐められたりしている人を見て「可哀想」と思う自分も、状況によって加害者になりかねない、かもしれない。その時、自分は正しい選択ができるんだろうか。

ただ、やっぱり自分が嫌だと思うことは人にはしてはいけないよね。

 

吉田修一監督の「悪人」と「怒り」も観たことがありました。楽園も同じ監督さんだったんですね。上白石萌音さんの歌声が素敵。


映画『楽園』本予告/綾野剛・杉咲花・佐藤浩市/衝撃のサスペンス大作